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近年、「院内感染で死亡=;遺族、賠償求め提訴」「新生児がMRSA院内感染=病院に賠償を求める」との新聞報道や記事が相次ぎ、各医療施設でも院内感染防止マニュアルなどを詳しく作成している現状にあります。難治性の疾患を持つ患者は地域医療の合理化にともない、小病院より中病院へ、中から高機能の大病院へと搬送されていますが、他の病院より送られてくる患者の大半が、なにがしかの病原菌により感染しており、特に中規模以上の病院では患者を受け入れるために徹底した感染防止対策が必要となってきます。
院内清掃業務を受託契約しているビル・メンテナンス企業としてもスタッフの身の安全を確保すると同時に院内感染が増えないような日常清掃を行っていかなければなりません。 |
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| 11−1 病棟の環境 |
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環境の消毒は手指の消毒と同様、MRSA感染防止対策上、極めて重要な要素です。病棟の床、壁ドアのノブなどの清掃は患者が病室に存在する場合、退院した場合との二つに分けて考える必要があります。しかし、MRSAに確実な効果を有する消毒剤(グルタルアルデヒド)が臭いや刺激のために、患者在室中には使用ができません。
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(a)患者の在室中の日常的清掃消毒 |
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ドアノブ、ベッドサイド、テーブル
ドアノブ、ベッドサイドは、バイオキックRクリーナー30倍希釈液にて、テーブルは、バイオキックGクリーナー40倍希釈液にて、一方清拭します。また不織布は、クリーナー同色とし、ICTよりの特別指示の場合は、消耗用エタノールやクロルヘキジンアルコール(マスキンW、エタノール)を使用。 |
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病室の床
ハイテクモップ(黄)にて、バイオキックBクリーナー30倍希釈液で一方清拭して下さい。またICTよりの特別指示の場合は、0.1%塩化ペンザルコニウム液(オスバン)、0.1%グリシン系両性界面活性剤(テゴ51)で清拭します。この両方とも耐性株の報告がありますが、副作用等の心配も少なく、臭いも気になりません。
清拭に使用した用具も使用後バイオキック各色クリーナーで洗浄し、または洗浄後、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで消毒して下さい。(分泌物などで床が汚染された場合) |
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病棟廊下など
ハイテクモップ(黄)にて、バイオキックBクリーナー30倍希釈液にて一方清拭して下さい。またICTよりの特別指示の場合は、病室の床と同様に作業して下さい。
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(b)患者退室時の病室の清掃消毒 |
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上記病室床のステップ清掃後、0.5%〜2%グルタルアルデヒドにて床を一方清拭して下さい。このメゾットでの作業は、一般病室としても使用可能です。
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(c)トイレ |
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水道蛇口、手洗い場取手などは、日常的にバイオキックBクリーナーで一方清拭し、または消毒用エタノール、グルコン酸へキシジンアルコールで清拭します。便器はバイオキックR
クリーナー5倍希釈液で洗浄して下さい。なお便座は、人体が直接接触しますので、バイオキックBクリーナー30倍希釈液で一方清拭し、退室後は消毒用エタノールやクロルヘキジンアルコールに青色不織布にて清拭して下さい。
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| 11−2 手指 |
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手指の消毒はMRSA感染防止対策で最も重要なものです。一般的によく使用するグルコン酸クロルヘキシジンや塩化ベンザルコニウムを、水溶液としてベースンに入れて消毒する方法では効果が不確実で、交差感染の原因ともなります。MRSAに有効と報告されているアルコールを含有するウェルパスを各病棟の数箇所に配置し、約3mlを手に取り、乾燥するまで擦り込みます。ウェルパスを使用する場合には、万遍なく両手指全体に行き渡るよう注意をします。特に手指にも十分薬液を付け、消毒をしなければなりません。
各種、スクラブ剤も有効ですが、含有する主成分の濃度が高いため、頻回に使用すると手荒れを起こします。手荒れが起こると、皮膚常在菌叢が崩れ、黄色ブドウ球菌の保有率が高くなるとの報告があります。ただし、手指消毒の基本は流水下の洗浄であるため、水道がある場合には、十分流水を行うことが必要です(グリンス)。 |
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| 11−3 カーペット床でのMRSAの消毒、清掃方法 |
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| タイルカーペット(スクエアカーペットとも呼び50cm・45cm角)は、第3世代ナイロンで異形型繊維で内部を中空にし、表面に付着した汚れを光学的に隠す特性を持っています。パイルはループ状で、裏はpvc及びビチューメンバット状のものが多く、殺菌剤等の噴霧塗布などを考えつくが、防菌・防微効果が認められるのはBCAのみであり、一般的医療での消毒剤使用においては、塩化ベンザルコニウム、DDACなどであるが、この他グルタル製剤、次亜塩素酸ソーダなどは、MRSAに効果があるものの繊維質については、変色、退色、脱色、またエタノールにおいても、ビチューメン及びpvcが溶ける心配があるため、消毒剤使用は基本的に認められず消毒の必要はない。 |
| 効果が期待出来る工法はスチームであり、カーペットに損傷を与えずMRSAなどほとんどの細菌は60℃〜80℃にて死滅する。またカビなどの菌系は60℃、無性胞子は65℃〜70℃で5分から10分間加熱で容易に死滅します。ただし加熱温度60℃〜80℃はウオンドよりの噴射温度とする。 |
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| 11−4 強酸性水のMRSAに対する効果について |
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1990年頃から強酸性水の細菌に対する殺菌力やウイルス不活化力が報告され、1993年頃から医療分野で消毒などに試用されるようになった。電気分解し陽極側に生成した酸性水Cl2(塩素)は、水に溶けて塩素水になるが、一部は加水分解されてHCl(塩酸)とHClO(次亜塩素酸)を生成する。生成する塩素、塩酸、次亜塩素酸の3成分は、水中では平均状
態を保っているが、強酸性水になるほど塩素の量が増し、次亜塩素酸の量が減少する。反応性の最も強いのは塩素であり、あらゆる有機物に対して強い塩素作用があり、殺菌力も強く、一般の栄養型細菌に強い殺菌力を示すが、結核菌や芽胞には確実な効果は期待できない。MRSAにおいては、発育が抑制されてコロニーが大きくならず、食器・器具洗浄などに効果はあるが、環境においては、塩素の反応性が強すぎるため(塩素ガス)金属類やコンクリートなど、病院には限りなく存在し被障物の床材にも影響を与える。
なお、塩素濃度30ppm前後でpH2.1〜2.7のもので、食器及び器具洗浄のみ使用する。pH2.0以下は特別管理廃棄物法に抵触する。 |
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| 11−5 MRSA患者のゴミ処理 |
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MRSA感染患者が使用している乾燥しているゴミ等は、院内でMRSAを飛散させないためにも感染性の扱いとしても良いが、処理の段階では、MRSAが処理従事者へ感染の危険性がないので、通常の医療廃棄物として差し支えない。
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