1.病院内環境の経営変化と清浄化における現状及び問題点
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1−1 経営環境の変化
 

厚生労働省は現在年間33兆円に膨れ上がった国民医療費を抑制する働きを強めている。この結果医療機関の競争が激化し、すでに病院数は減少する時代に突入しました。大病院による中小病院の統合も目立ち、病院もM&A(企業の合併、買収)時代を迎えました。 薬価引き下げの影響や医療分業推進策の影響で、病院の収入は減少傾向にある。患者の大病院志向や医療費の自己負担額引き上げも影響している。一方、医師、看護婦の人件費の負担も重く、施設の老朽化や後継者難も深刻で、「病院不倒神話」が崩れ、病院経営における冬の時代と… 経営技術の見直しを求められ、また、新方法の導入の検討として、院内感染防止につきましても、医療機関を見る世間の目も変化しつつあります。

※新方法の導入の検討として
医療の効率化に欠かせない「コスト意識」を高めるために、二つの試みが進行しています。 一つは、医療費の支払方法の見直し、病気ごとに標準的な費用枠を決める「DRG/PPS」(医療群別・定額支払い方式)の導入。もう一つは、患者に医療費明細書の要求を広め、高齢化が進む中、無駄なく質の高い医療を実現するため、無駄な検査・薬漬け・長期入院を抑制とする新方式の導入が検討されています。
「DRG/PPS」が導入されると、コスト意識があるか、ないかで利益が出る病院と出ない病院の格差が大きくなります。
今後の医療技術の希求とあいまって、病院感染防止につきましても医療関係を見る世間の目も変化しつつあります。

※代替医療の社会的背景
年間1兆円ずつ増え続けることによってやがて国家予算を超えます。 国の破綻回避の打開策として治療医学から予防医学へとようやく代替医療が盛り込まれる時代になりました。
サプリメント等代替医療利用のための民間による任意保険制度の素案がすでに厚生労働省内部に存在していますし、内科学会では「医師のためのサプリメントの手引書」を作成中です。

 
1−2 病院内環境の清浄化への考え方
  ●サニテーション(Sanitation)
    アメリカのLISKY氏はホスピタル・サニテーションとして、病院の環境衛生は専門的な衛生慣行を基にマニュアルを作成、その管理という幅広い分野の中で、清掃、消毒による清浄化プログラムを立てて推奨しています。
  ●ハイジーン(Hygiene)
    イギリスのMAUER氏はホスピタル・ハイジーンの現状と詳細な清浄化の方法を掲げて、汚染測定法を共に論じています。
  ●微生物制御に携わる技術者の条件
 
微生物制御に携わる者としての基本的に考えなければならない点は「自分は汚染源である」ということです。そのため、自分自身の汚染度を知らなければなりません。
  
  【便の形状による安全枚数】
種 類 安 全 枚 数 ※
普通便 粘液便 水様便
家庭用 マニラ紙

4

8 6
浅草紙 3 8 5
チリ紙 3 5 8
白チリ紙 5 5 8
黒チリ紙 5 5 8
コロス 3 5 8
婦人用 高級京花紙 8 26 26
京花紙 4 8 10
ひめ紙 5 10 10
トイレット
ペーパー
ロール太陽 2 3 4
桜上等 2 3 4
桜並 2 3 6
※用便後、手指に赤痢菌の付着する紙の枚数限度
  
  【流水による手洗い効果の比較−A(西田)】
  3主要菌
区別 一般生菌数 大腸菌群 病原性
ブドウ球菌
A(男) お手洗い前
流水30秒手洗い後
120.000
76.000
2.900
2.900
<10
100
B(女) お手洗い前
流水30秒手洗い後
4.500
4.000

<10
<10

2.900
1.300
C(女) お手洗い前
流水30秒手洗い後
4.800
1.900
30
<10
160
400
D(女) お手洗い前
流水30秒手洗い後
1.300
2.700
<10
<10
900
1.200
※ふきとり法による片手掌面1nl当たりの菌量。対象は食品工場、工員。
 
1−3 病院内環境の現状
   現状の病院内清掃においては商業ビルの清掃とは異なり、非常に多くの相違点と特異性を持っているにもかかわらず、商業ビルと同一な仕様と相違のない方法で行っています。
 (仕様書が委託者側より出されている点もありますが)、また、医療従事者にしても最も清浄度を要求されている手術室さえ盲目的に消毒薬剤を漫然と、半ば習慣的に使用し、消毒剤についても、あまり考慮されていません。(耐性菌対策として先ず、有機物と汚れを物理的に除去することです。)
  しかも、その手術室では世界最高水準に近い手術が行われています。このような、現状が日本の病院で見られる風景ではないでしょうか。
 
1−4 病院内環境の問題点
 

 病院内環境の清潔保持は医療、事務スタッフ、業者がそれぞれの責任と協力体制を持たなければなりません。委託者責任と受託者責任(サービス・マーク制度)が求められるでしょう。動機は様々ですが、コスト的にメリットがあるのか、清掃品質に問題があるのか、それとも期待できることが動機なのか、最終責任を担うのは病院長ですが、業務委託する場合には、病院側の詳細な指示指導と点検が必要であります。仕様書作成においても、平面的に捉える現状から、立体的、空間的でなければなりません。ハウス・キ一ピングは平方メートル当たり、幾らかかると言うよりも一人当たりの作業者を投入した場合、どれだけの時間がかかるという、時間基礎とした衛生基準と管理項目が大切です。

※受託業者は目的行動体であり、費用対効果について考えることなしで品質を考えることはできません。ヒューマンな部分的考えとコスト的考えとは相反することであるかのように錯覚がありますが決してそうではなく、費用対効果を適正に保つ概念で業務が成り立ってはいます。 効果が測りがたいのがサービス(ハウス・キーピング)であり、品質管理を考えなければなりません。決めたこと(衛生基準)を決めた通りにできたかを評価することは業務の基本であり、この責務が各個人に伝わなければ、病院内清掃は常にサゼッションが発生し、品質効果が悪くなり、費用対効果も良くならないと思います。


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